・打ち合わせのカタカナ語についていけない
・レポートの「CVR」「CPA」の意味があいまい
・兼任でマーケ担当になったばかり
「CVRが〜」「まずはCPAを見て〜」。Webマーケティングの打ち合わせでは、略語やカタカナ語が当たり前のように飛び交います。その場では聞き流せても、意味があいまいなままだと、施策の良し悪しを自分で判断できません。
本記事では、Webマーケティングの現場で本当に使う用語を45語に厳選し、「どの場面で出てくる用語か」という切り口で整理して解説します。指標の計算式と目安、混同しやすい用語の使い分け早見表もまとめました。
読み終える頃には、支援会社との打ち合わせやレポートの数字を、自分の言葉で理解できるようになります。辞書代わりにブックマークして、分からない用語に出会ったときに開いてください。
この記事のゴール(読了目安 約13分/必要な章だけなら約3分)Webマーケティングの基本用語45語を「使う場面別」に理解し、打ち合わせ・レポート・改善の議論に自分の言葉で参加できるようになる。
Webマーケティング用語は「使う場面」で覚えるのが近道
Webマーケティングの用語をやみくもに暗記する必要はありません。実務で用語が出てくる場面は、おおよそ5つに分かれるからです。
以下の表は、本記事で解説する45語を、用語が登場する場面別に整理したものです。
自分がいま関わっている場面の章から読み始めて構いません。まずは打ち合わせで頻出する第2章と第5章から押さえるのがおすすめです。
なお、Webマーケティングそのものの定義から確認したい方のために、最初の用語として解説しておきます。
Webマーケティング
Webマーケティングとは、Webサイト・検索エンジン・広告・SNSなどのオンラインの手段を使って、商品やサービスが売れる仕組みをつくる活動全般のことです。
集客(人を集める)、接客(サイト上で魅力を伝える)、追客(見込み顧客を追いかける)の3つの活動に大きく分かれます。紙のチラシやテレビCMと違い、すべての施策の効果を数値で測定できる点が最大の特徴です。
【戦略・計画】の場面で使う基本用語10語
施策を始める前の、目標設定や計画づくりの場面で登場する用語です。支援会社への相談時や社内の企画会議で最初に出てくるため、優先して押さえましょう。用語よりも進め方から知りたい場合は、計画から実行までの6ステップを先に見ておくと、どの場面でどの用語が出てくるのかがつかめます。
KGI・KPI
KGI(Key Goal Indicator=重要目標達成指標)は最終ゴールの数値、KPI(Key Performance Indicator=重要業績評価指標)はゴールに到達するための中間指標です。
たとえば「Web経由の問い合わせを月10件にする」がKGIなら、「月間セッション5,000」「CVR0.2%」がKPIにあたります。KGIだけ決めてKPIがない計画は、途中で軌道修正ができません。なお、KGIに売上だけを置くと、施策が短期の刈り取りに寄りやすくなります。何を目的に据えるかの考え方も一度整理しておくと、KPIの選び方がぶれません。
ペルソナ
ペルソナとは、自社の商品・サービスの典型的な顧客像を、実在する1人の人物のように具体化したものです。年齢・役職・抱えている課題・情報収集の方法まで設定します。
ターゲット(〜30代の経営者、のような属性のかたまり)よりも一段具体的にすることで、記事や広告の内容がぶれなくなります。ペルソナの作り方は、設定項目と具体例を別記事で解説しています。
リード(見込み顧客)
リードとは、資料請求や問い合わせなどで連絡先が分かっている見込み顧客のことです。リードを集める活動をリードジェネレーション、集めたリードを購買に近づける活動をリードナーチャリング(顧客育成)と呼びます。
カスタマージャーニー
カスタマージャーニーとは、顧客が商品を認知してから購入・継続に至るまでの道のりを時系列で捉えたものです。図に可視化したものをカスタマージャーニーマップと呼びます。
「認知の段階では記事で接点をつくり、比較の段階では事例を見せる」のように、段階ごとに打ち手を変えるための土台になります。同じ道のりを「各段階に何人残るか」という人数の推移で捉え直したものがマーケティングファネルで、離脱が集中している段階を探すときに使います。
オウンドメディア
オウンドメディアとは、自社で保有・運営するメディアのことです。広義には公式サイトやパンフレットも含みますが、実務では集客目的のブログ・記事メディアを指すことがほとんどです。
広告と違って掲載費がかからず、記事が資産として蓄積される一方、成果が出るまで半年〜1年ほどかかります。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、読者にとって価値のある情報(コンテンツ)を提供して見込み顧客との関係を築き、最終的に購買につなげる手法です。オウンドメディアの記事のほか、動画・SNS投稿・ホワイトペーパー(お役立ち資料)も含みます。
CRM
CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客との関係を管理する考え方、およびそのためのツールのことです。顧客の連絡先・商談履歴・購入履歴を一元管理し、適切なタイミングでのアプローチに活かします。
MA(マーケティングオートメーション)
MAとは、見込み顧客への継続的なアプローチを自動化するツールのことです。資料をダウンロードした人に自動でメールを送る、サイトを再訪した見込み顧客を営業に通知する、といった動きを仕組み化できます。
LTV(顧客生涯価値)
LTV(Life Time Value)とは、1人の顧客が取引期間全体で自社にもたらす利益の合計です。「LTVが30万円なら、顧客獲得に5万円かけても採算が合う」のように、広告予算の上限を決める根拠になります。
フレームワーク(3C・STP・4P)
フレームワークとは、戦略を考えるときの思考の型のことです。市場・競合・自社を整理する3C分析、市場の絞り込みと立ち位置を決めるSTP、施策に落とし込む4Pが代表格です。4Pを売り手ではなく買い手の視点に置き換えたのが4C分析です。どの場面でどれを使うかは、代表的な12種類の使い分けにまとめています。
【SEO・検索集客】の場面で使う用語8語
検索エンジンからの集客、つまりSEOに取り組む場面で登場する用語です。オウンドメディアを運営するなら必須の言葉が並びます。
SEO(検索エンジン最適化)
SEO(Search Engine Optimization)とは、Googleなどの検索結果で自社ページを上位に表示させるための取り組み全般です。良質な記事の作成、サイト構造の改善、他サイトからのリンク獲得などが含まれます。
広告と違いクリックされても費用が発生しませんが、成果が出るまでに時間がかかります。
オーガニック検索(自然検索)
オーガニック検索とは、検索結果のうち広告枠を除いた部分、およびそこからの流入のことです。レポートで「オーガニック流入」とあれば、広告費をかけずに検索から来た訪問を指します。
検索クエリとキーワード
検索クエリはユーザーが実際に検索窓に打ち込んだ言葉、キーワードはサイト側が「この言葉で上位表示を狙う」と設定する言葉です。同じものを指す場面も多いですが、視点が逆である点を押さえておくと、支援会社のレポートが読みやすくなります。
検索意図
検索意図とは、ユーザーがそのキーワードで検索した目的・知りたいことです。SEOでは「キーワードに答える」のではなく「検索意図に答える」ことが上位表示の条件とされ、記事構成のすべての起点になります。
E-E-A-T
E-E-A-Tとは、Googleがコンテンツの品質を評価する4つの観点、経験(Experience)・専門性(Expertise)・権威性(Authoritativeness)・信頼性(Trust)の頭文字です。「誰が書いたか分からない記事」より「実務経験者が実名で書いた記事」が評価される、と理解すれば十分です。
インデックス
インデックスとは、Googleのデータベースにページが登録されることです。登録されて初めて検索結果に表示される候補になります。「公開したのに検索に出ない」ときは、まずインデックスされているかを確認します。
内部リンクと被リンク
内部リンクは自社サイト内のページ同士をつなぐリンク、被リンクは他社サイトから自社サイトに向けられたリンクです。内部リンクは読者の回遊とGoogleの理解を助け、質の高い被リンクはサイトの評価を高めます。
リライト
リライトとは、公開済みの記事を加筆・修正して検索順位や成果の改善を狙うことです。新規記事の追加と並ぶSEOの基本施策で、順位が11〜20位あたりで停滞している記事から着手するのが定石です。
【Web広告】の場面で使う用語10語
広告出稿の検討時や、広告レポートの読み解きで登場する用語です。前半5語が広告の種類、後半5語が広告指標です。
リスティング広告(検索連動型広告)
リスティング広告とは、検索結果の上部に表示されるテキスト広告です。ユーザーが検索したキーワードに連動して表示されるため、今まさに探している人に届きます。クリックされたときだけ費用が発生するクリック課金制です。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリの広告枠に表示される画像・動画つきの広告です。バナー広告とも呼ばれます。検索していない層にも届くため認知拡大に向く一方、リスティング広告より成約率は低くなる傾向があります。
リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、一度自社サイトを訪れたユーザーを追いかけて表示する広告です。検討中に離脱した見込み顧客を呼び戻せるため費用対効果が高い反面、Cookie(サイト訪問者の情報を一時的に記録する仕組み)規制の影響で精度は年々変化しています。
SNS広告
SNS広告とは、InstagramやX、LINEなどのSNS上に配信する広告です。年齢・地域・興味関心などで配信先を細かく絞れるのが強みで、BtoCの商材や採用広報と相性が良い手法です。
アフィリエイト広告(成果報酬型広告)
アフィリエイト広告とは、ブログやメディアの運営者に商品を紹介してもらい、成約が発生したときだけ報酬を支払う広告です。無駄な広告費が出にくい半面、紹介のされ方を管理しきれないリスクがあります。
広告指標5語(インプレッション・リーチ・CTR・CPC・CPA)
広告レポートに必ず登場する5つの指標は、まとめて覚えるのが効率的です。以下の表は、各指標の意味・計算式・見方をまとめたものです。
CTRが低ければ広告文、CPAが高ければ着地ページ、とどの指標が悪いかで改善する場所が変わるのがポイントです。目安の数値は業界・商材で大きく変わるため、絶対値ではなく推移で見ましょう。
【アクセス解析・効果測定】の場面で使う用語9語
月次レポートや振り返りの場面で登場する用語です。数を数える指標(PV・UU・セッション)と、成果を測る指標(CV・CVR)を分けて捉えると混乱しません。
GA4(Googleアナリティクス4)
GA4とは、Googleが無料で提供するアクセス解析ツールの現行版です。サイトの訪問数・流入元・成果などをほぼすべて計測できます。Webマーケティングの効果測定は、実質GA4を見ることから始まります。
Googleサーチコンソール
Googleサーチコンソールとは、検索結果での自社サイトの状態を確認できるGoogleの無料ツールです。どんなキーワードで表示・クリックされたか、インデックスの状況、順位の推移が分かります。GA4が「サイトに来た後」、サーチコンソールが「サイトに来る前」を見るツールと覚えましょう。
PV(ページビュー)
PVとは、ページが表示された回数です。1人が5ページ見れば5PVになります。メディアの規模感を測る最も基本的な指標です。
UU(ユニークユーザー)
UUとは、一定期間にサイトを訪れた人数です。同じ人が何度訪れても1とカウントされます。「何人に届いたか」を見る指標です。
セッション(訪問数)
セッションとは、ユーザーがサイトを訪れてから離脱するまでのひとまとまりの訪問のことです。同じ人が朝と夜に訪れれば2セッションになります。PV・UU・セッションの違いは、後述の早見表で整理しています。
CV(コンバージョン)
CVとは、サイト上で達成したい成果のことです。問い合わせ・資料請求・購入・予約など、何をCVとするかは自社で定義します。CVの定義があいまいなままだと、すべての数値の良し悪しが判断できなくなるため、最初に決めるべき項目です。
CVR(コンバージョン率)
CVRとは、訪問のうちCVに至った割合です。計算式は「CV数÷セッション数×100」。一般的なサイトで1〜3%前後といわれますが、業界・商材・CVの定義で大きく変わるため、自社の過去数値との比較を基本にしましょう。
直帰率・離脱率・エンゲージメント率
直帰率は最初の1ページだけ見て帰った訪問の割合、離脱率は各ページが「最後のページ」になった割合です。GA4では直帰率に代わり、エンゲージメント率(しっかり読まれた訪問の割合)が標準指標になりました。レポートにどの指標が使われているかを最初に確認しましょう。
ROI・ROAS
ROI(投資利益率)は投資に対する利益の割合、ROAS(広告費回収率)は広告費に対する売上の割合です。ROASが100%を超えていても、原価を引いた利益ベースのROIでは赤字ということがあります。最終判断はROI(利益)で行うのが原則です。
【サイト改善】の場面で使う用語8語
集客した後、成果につなげるためのサイト改善の場面で登場する用語です。広告費を増やす前に、この領域の改善余地を疑うのが定石です。
LP(ランディングページ)
LPとは、広告などから最初に到達する1枚完結型のページのことです。商品の魅力を伝えて問い合わせや購入まで誘導する、縦長のページを指すのが一般的です。広義には「ユーザーが最初に着地したページ」全般を指すこともあります。
CTA(行動喚起)
CTA(Call To Action)とは、「問い合わせる」「資料をダウンロードする」など、読者に次の行動を促すボタンや文言のことです。CTAの文言・色・位置を変えるだけでCVRが変わることも珍しくありません。
EFO(入力フォーム最適化)
EFOとは、問い合わせフォームの入力しやすさを改善する施策です。入力項目を減らす、エラーを分かりやすくする、スマホでの入力を楽にするなどが含まれます。フォームまで来た見込み顧客の離脱を防ぐ、費用対効果の高い改善領域です。
UI・UX
UIはユーザーが触れる画面や操作性、UXはサービス全体を通じてユーザーが得る体験のことです。「ボタンが押しにくい」はUIの問題、「探している情報になかなかたどり着けない」はUXの問題、と切り分けて使います。
ヒートマップ
ヒートマップとは、ページ内でユーザーがよく見た場所・クリックした場所を色の濃淡で可視化するツールです。「どこまで読まれて、どこで離脱したか」が一目で分かり、改善箇所の特定に使います。
ABテスト
ABテストとは、AパターンとBパターンの2案を実際に出し分けて、成果が高いほうを採用する検証手法です。感覚ではなくデータで改善案の良し悪しを決められます。まずはCTAや見出しなど、影響の大きい箇所から試します。
モバイルフレンドリー
モバイルフレンドリーとは、スマートフォンで快適に閲覧・操作できる状態のことです。多くの業界で訪問の過半数はスマホ経由のため、サイト確認は常にスマホ表示を基準に行いましょう。
CMS
CMS(Content Management System)とは、専門知識がなくてもWebサイトの作成・更新ができるシステムのことです。世界で最も使われているのがWordPressで、オウンドメディアの多くはCMS上で運用されています。
混同しやすい用語の使い分け早見表
最後に、現場で混同されやすい用語のペアをまとめます。以下の表は、意味を取り違えやすい用語の違いを一覧にしたものです。
打ち合わせ中に迷ったら、この表に立ち返ってください。
Webマーケティング用語に関するよくある質問
Q. 全部覚えないとダメですか?
いいえ。まずは自分がいま関わっている場面の章の用語だけで十分です。強いて優先順位をつけるなら、KGI・KPI、CV、CVR、セッション、SEO、リスティング広告の6語から。この6語で打ち合わせの骨格は理解できます。
Q. 支援会社のレポートで知らない用語が出てきたら?
その場で意味を聞いて問題ありません。用語の説明を求められて嫌がる支援会社は、その後のコミュニケーションにも不安があります。むしろ相性を見極める機会と捉えましょう。
Q. 用語の意味は変わることがありますか?
あります。代表例がGA4への移行で、「直帰率」の定義が変わり「エンゲージメント率」が主要指標になりました。ツールの大型アップデートの際は、指標の定義もあわせて確認するのが安全です。
まとめ
・用語は暗記ではなく「戦略/SEO/広告/測定/改善」の使う場面とセットで覚える
・指標は計算式と目安より、自社数値の推移で見る
・最終判断は売上(ROAS)ではなく利益(ROI)で行う
・迷ったら混同しやすい用語の早見表に立ち返る
Webマーケティングの用語は、覚えること自体が目的ではありません。用語が分かると、打ち合わせで対等に議論でき、レポートの数字から自分で課題を見つけられるようになります。それが、施策の成果を大きく左右します。
本記事をブックマークして、実務の中で出会った用語をその都度確認しながら、少しずつ自分の言葉にしていってください。
