マーケティング基礎

マーケティングファネルとは?種類・作り方・活用方法を解説

マーケティングファネルとは
マワルくん マワルくん
こんな人におすすめ
・マーケティングファネルの意味を知りたい
・顧客の離脱ポイントが分からない
・ジャーニーとの違いが曖昧

「マーケティングファネル」は、マーケティングの基本用語としてよく登場します。しかし、「なぜ漏斗(ろうと)型なのか」「カスタマージャーニーと何が違うのか」「今の時代にも使えるのか」と聞かれると、答えに迷う方は多いのではないでしょうか。

先に結論をお伝えすると、マーケティングファネルとは顧客が認知から購入に至る流れを段階で整理し、各段階の人数と転換率を見るためのモデルです。ただし重要なのは、実際の顧客がファネルの順番どおりに動くわけではない、という点です。ファネルは顧客の未来を予測する図ではなく、「マーケティングのどこに問題があるか」を分解して見つけるための道具として使います。

本記事では、ファネルの意味と基本構造、種類、カスタマージャーニーとの違い、作り方、ファネル分析の方法、段階ごとの施策、「古い」と言われる論点まで解説します。

この記事のゴール(読了目安 約9分)

自社の顧客の流れをファネルとして整理し、各段階の数値からボトルネックを見つけて、改善すべき施策を判断できるようになる。

マーケティングファネルとは

マーケティングファネルとは

マーケティングファネルとは、顧客が商品・サービスを認知してから購入に至るまでの流れを、段階的に整理したモデルです。

ファネルの意味

ファネル(funnel)とは「漏斗」のことです。認知→興味・関心→比較・検討→購入と進むにつれて人数が絞り込まれていく様子が、上が広く下が狭い漏斗の形に似ていることから、この名前が付いています。

漏斗型になる理由

商品を知った人全員が興味を持つわけではなく、興味を持った人全員が比較するわけでもありません。各段階で一定の割合の人が離脱していくため、下に進むほど人数は必ず減ります。この「減り方」を可視化できることが、ファネルの価値の出発点です。

ファネルの基本構造

最も基本的なファネルは、4つの段階で構成されます。

認知

商品・サービスの存在を知る段階です。広告、SEO、SNS、口コミなどが主な接点になります。ここの人数が、以降のすべての母数になります。

興味・関心

「自分に関係がありそうだ」と興味を持つ段階です。サイトを訪問する、記事を読む、SNSをフォローするといった行動が目安になります。

比較・検討

他の選択肢と比べながら、購入を検討する段階です。料金ページや事例の閲覧、資料請求、問い合わせなどが行動の目安です。

購入

実際に購入・契約する段階です。BtoBなら商談から受注まで、ECならカート投入から決済までが該当します。

主なファネルの種類

主なファネルの種類

ファネルには、目的に応じたバリエーションがあります。代表的な3種類を紹介します。

パーチェスファネル

認知から購入までを扱う、最も基本的なファネルです。本記事で解説してきた4段階の型で、新規顧客の獲得を整理するのに使います。

インフルエンスファネル

購入後の「継続→紹介→発信」を扱うファネルです。購入をゴールでなくスタートと捉え、顧客がファンになり、口コミやSNSで他の人に影響を与えていく流れを整理します。

ダブルファネル

パーチェスファネルとインフルエンスファネルをつなげた型です。購入を境に漏斗が逆向きに広がる砂時計のような形になり、獲得から育成・紹介までのマーケティング全体を1枚で俯瞰できます。

ファネルを使うメリット

ファネルで顧客の流れを整理するメリットは4つあります。

顧客の流れを整理できる

バラバラに見えていた施策や顧客の動きを、認知から購入までの一連の流れとして整理できます。全体像の共有は、チームの議論の土台になります。

離脱箇所を見つけられる

各段階の人数を並べることで、「どこで顧客が大きく減っているのか」が見えます。感覚ではなく数値で、問題の場所を特定できます。

施策を整理できる

広告は認知、記事は興味、事例は比較、というように、各施策がどの段階を担っているかを整理できます。「施策の空白地帯」も見つかります。

KPIを設定できる

段階ごとに数値目標(訪問数・問い合わせ数・商談数など)を置けるため、成果の管理と評価がしやすくなります。

カスタマージャーニーとの違い

よく混同されるカスタマージャーニーとの違いを整理します。以下の表にまとめます。

観点 マーケティングファネル カスタマージャーニー
見るもの 段階ごとの人数・転換率 顧客の行動・感情・接点
視点 全体を俯瞰する(定量) 一人の顧客に寄り添う(定性)
得意なこと 問題の場所の特定 問題の理由の理解

ファネルは全体を見る

ファネルは、顧客全体を段階で区切り、人数と転換率という数値で見ます。「比較段階で50%が離脱している」という問題の場所を教えてくれます。

ジャーニーは顧客を見る

カスタマージャーニーは、一人の顧客の行動・感情・接点を時間軸で見ます。「費用の妥当性を判断できず不安になっている」という問題の理由を考える道具です。

両方を組み合わせる

実務では、ファネルで「どこが悪いか」を特定し、ジャーニーで「なぜ悪いか」を掘り下げる、という組み合わせが効果的です。どちらか一方ではなく、役割の違う2つの道具として使い分けてください。

マーケティングファネルの作り方

自社のファネルを作る手順を5ステップで解説します。

ゴールを決める

ファネルの最終段階(購入・契約・問い合わせなど)を決めます。何をゴールに置くかで、見るべき数値が変わります。

段階を決める

基本の4段階をベースに、自社の商材に合わせて調整します。BtoBなら「商談」「稟議」を足すなど、実際の顧客の流れに合わせることが大切です。

顧客数を整理する

各段階に対応する数値(表示回数・訪問数・問い合わせ数・商談数・受注数など)を、計測できるデータと紐づけて整理します。

KPIを決める

段階ごとに目標値を設定します。最初から精緻である必要はなく、現状の数値を把握することから始めます。

施策を整理する

各段階を担う施策を書き込みます。段階に対して施策がない「空白」があれば、それ自体が発見です。

ファネル分析の方法

ファネル分析の方法

作ったファネルは、次の4ステップで分析に使います。

各段階の数値を見る

まず、段階ごとの人数を並べます。月次など一定の期間で区切ると、変化を追いやすくなります。

転換率を見る

次に、段階間の転換率(次の段階へ進んだ割合)を計算します。人数の絶対値より、転換率の変化にこそ問題のサインが表れます

ボトルネックを探す

転換率が極端に低い、あるいは悪化している段階がボトルネックです。改善の優先順位は、ゴールに近く、転換率が低い段階から検討するのが基本です。

改善施策を決める

特定したボトルネックに対して、施策を決めます。ここでカスタマージャーニーや顧客の声を使い、「なぜ離脱するのか」まで掘り下げると、施策の精度が上がります。

段階ごとの施策

各段階でよく使われる施策を整理します。以下の表にまとめます。

段階 主な施策
認知を増やす SEO・広告・SNS・プレスリリース
興味を深める ブログ記事・SNS運用・メルマガ・動画
比較を支援する 事例・料金ページ・比較コンテンツ・FAQ
購入を後押しする 無料相談・トライアル・限定オファー・商談
継続・推奨につなげる サポート・活用支援・コミュニティ・紹介施策

重要なのは、施策を流行や思いつきで選ぶのではなく、ボトルネックになっている段階に対して施策を打つことです。認知が足りないのに比較コンテンツを増やしても、成果にはつながりません。

マーケティングファネルは古い?

近年、「ファネルはもう古い」という論調を見かけます。この論点にも触れておきます。

顧客行動は複雑化している

「古い」と言われる理由は、現実の顧客が一直線に進まないからです。検索して、SNSを見て、一度離脱して、口コミを見て、再検索して、営業と話して、事例を見て購入する。行き来と寄り道だらけの行動が当たり前になりました。

一本道では考えない

そのため、「顧客は認知→興味→比較→購入の順に動くはずだ」という前提でファネルを使うと、実態とずれます。顧客の行動を予測・再現するモデルとしては、確かに限界があります。

管理モデルとして活用する

しかし、それはファネルが無価値だということではありません。顧客の動きがどれだけ複雑でも、「全体として何人が認知し、何人が検討し、何人が購入したか」という数の構造は必ず存在します。ファネルは顧客行動の再現図ではなく、マーケティング全体を数値で管理し、問題の場所を特定するためのモデルとして使う。この捉え方が現在の正解です。

活用時の注意点

ファネルを機能させるための注意点を4つ挙げます。

  • 段階を細かくしすぎない: 段階が多いほど精緻に見えるが、計測も運用も回らなくなる。まずは4〜5段階で始める
  • 顧客行動を決めつけない: ファネルの順番どおりに顧客が動くとは限らない。実際の行動データとの照合を忘れない
  • 数値だけを見ない: 転換率の低下は「場所」を教えるが「理由」は教えない。顧客の声・ジャーニーとセットで使う
  • 定期的に見直す: 商材・市場・顧客行動の変化に合わせて、段階の定義や計測指標も更新する

【waltsu視点】課題を分解する共通言語

課題を分解する共通言語

最後に、waltsuが最も重視しているファネルの使い方を紹介します。それは、「問い合わせが少ない」という漠然とした悩みを、分解可能な課題に変える使い方です。

「問い合わせが少ない」という結果だけを見ても、打ち手は決まりません。しかしファネルで分解すれば、問いが変わります。認知が足りないのか(サイト訪問はあるか)。興味を持たれていないのか(記事や事例は読まれているか)。比較で負けているのか(問い合わせ・商談化率はどうか)。営業段階の課題なのか(受注率はどうか)。

この分解ができると、広告を増やすべきか、SEOを強化すべきか、サイトを改善すべきか、事例を増やすべきか、営業を見直すべきかが、データにもとづいて判断できます。ファネルの価値は、きれいな逆三角形を描くことではなく、マーケティングの課題を分解し、経営と現場が同じ言葉で議論できるようにすること。これが、ファネルという古典的なモデルが今も使われ続けている理由です。

よくある質問

マーケティングファネルとは簡単にいうと?

顧客が認知から購入に至る流れを段階で整理し、各段階の人数と転換率を見るモデルです。マーケティングのどこに問題があるかを特定するために使います。

マーケティングファネルにはどんな種類がある?

認知から購入までのパーチェスファネル、購入後の継続・紹介を扱うインフルエンスファネル、両者をつなげたダブルファネルが代表的です。

カスタマージャーニーとの違いは?

ファネルは段階ごとの人数・転換率を定量で見るモデル、ジャーニーは一人の顧客の行動・感情を定性で見るモデルです。ファネルで問題の場所を特定し、ジャーニーで理由を掘り下げる、と組み合わせて使います。

マーケティングファネルはもう古い?

顧客行動の予測モデルとして使うなら実態に合いませんが、マーケティング全体を数値で管理し課題を分解するモデルとしては、今も有効です。使い方の問題であり、モデル自体が無効になったわけではありません。

BtoBでもマーケティングファネルは使える?

使えます。BtoBでは認知→興味→比較→商談→受注のように段階を調整し、マーケティングと営業をまたいだ一気通貫のファネルとして設計すると、部門間の課題の押し付け合いを防げます。

まとめ

この記事の要点

・ファネルは、認知→興味→比較→購入の各段階の人数・転換率を見るモデル
・顧客はファネルどおりに動かない。予測図でなく「課題を分解する管理モデル」として使う
・ファネルで問題の場所を特定し、ジャーニーで理由を掘り下げる
・施策はボトルネックの段階に打つ。数値と顧客の声をセットで見る

マーケティングファネルは、顧客の未来を予測する図ではありません。認知から購入までの流れを数値で整理し、どこにボトルネックがあるのかを特定して、改善の優先順位を決める。マーケティングの課題を分解するための、実務的な道具です。

まずは、自社の数値(訪問数・問い合わせ数・商談数・受注数)を4〜5段階のファネルに並べてみてください。個別の施策には取り組んでいるものの、どこがボトルネックなのか分からない。そう感じたら、ファネルでの課題分解から始めるタイミングです。waltsuでは、ファネル分析からマーケティング戦略、SEO・広告・サイト改善までを一貫してご支援しています。

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この記事を書いた人

藤井 俊輔

代表取締役

藤井 俊輔/ フジイ シュンスケ

ベンチャー企業の外部CMOや水族館のマーケティング担当などに従事。オンライン/オフライン問わず集客を中心としたマーケティング施策に強み。

システム・アプリ開発Web広告運用Web集客全般
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