マーケティング基礎

マーケティングのフレームワークとは?代表的な12種類と目的別の使い方を解説

マーケティングフレームワーク
マワルくん マワルくん
こんな人におすすめ
・どのフレームワークを使うか迷う
・分析しても次の行動が決まらない
・使う順番と選び方を知りたい

マーケティングには、3C分析、SWOT分析、STP分析、4P分析、PEST分析など、さまざまなフレームワークが存在します。しかし、「種類が多すぎてどれを使えばいいのか分からない」「フレームワークを埋めたものの、結局何をすればいいのか分からない」という声も少なくありません。

先に結論をお伝えすると、マーケティングフレームワークは使うこと自体が目的ではありません。重要なのは、「今、何を判断したいのか」を明確にし、その目的に合ったフレームワークを選ぶことです。

本記事では、代表的な12種類のフレームワークを「市場を知る」「戦略を決める」「施策を設計する」「顧客を理解する」「成長・改善する」という目的別に整理し、使う順番と選び方、よくある失敗まで解説します。

この記事のゴール(読了目安 約10分)

12種類のフレームワークの役割と使う順番を理解し、「今の課題に必要なもの」だけを選んで意思決定につなげられるようになる。

マーケティングフレームワークとは

マーケティングフレームワークとは、複雑な情報や課題を一定の視点から整理し、意思決定しやすくするための「思考の型」です。

思考の型として使う

たとえば「競合について調べよう」だけでは、何を調べればいいのか分かりません。3C分析を使えば、市場・顧客、競合、自社という3つの視点で情報を整理できます。考える視点をあらかじめ用意してくれるのがフレームワークの役割です。

フレームワークを使う目的

主な目的は、情報の整理、論点の抜け漏れ防止、チームの共通認識づくり、仮説の作成、そして意思決定の支援です。ただし、フレームワークが答えを出してくれるわけではありません。あくまで「考えるための道具」です。

フレームワーク一覧【目的別】

フレームワーク一覧

代表的な12種類を、目的別に整理します。以下の表が全体マップです。

目的 フレームワーク 分かること
市場・環境を知る PEST分析/5フォース分析/3C分析 市場の変化・競争環境・勝ち筋
戦略を考える SWOT分析/STP分析 強みの活かし方・誰に何で選ばれるか
施策を設計する 4P分析/4C分析 商品・価格・届け方・伝え方
顧客を理解する カスタマージャーニー/AIDMA/AISAS 顧客の行動・心理・接点
成長・改善する アンゾフの成長マトリクス/PDCA 事業成長の方向・施策の改善

重要なのは、12種類すべてを毎回使うことではありません。現在の課題に応じて、必要なものだけを選びます。

市場・環境を分析する

まず、市場と競争環境を把握するための3つです。

PEST分析

Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の4つの外部環境から市場を見るフレームワークです。法改正、景気、人口構造、AIなどの技術革新といった、自社ではコントロールできない大きな変化を把握します。新規事業や中長期戦略、市場環境が大きく動いているときに向いています。

5フォース分析

既存競合、新規参入、代替品、買い手、売り手という5つの力から、業界の競争環境を分析します。「競合が何社いるか」ではなく、「この市場は利益を出しやすいのか」まで考えるのが特徴です。

3C分析

市場・顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)から事業環境を整理するフレームワークです。重要なのは、「顧客が求めている × 競合が十分に提供できていない × 自社が提供できる」領域、つまり勝ち筋を見つけること。詳しい進め方は個別記事で解説しています。

戦略を考える

環境を把握したら、戦略を決める段階です。

SWOT分析

Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つに情報を整理します。特に重要なのが、掛け合わせて考える「クロスSWOT」です。強み×機会で「市場のチャンスに自社のどの強みを使うか」まで考えることで、整理が戦略に変わります。

STP分析

市場を分け(Segmentation)、狙う市場を決め(Targeting)、選ばれる立ち位置を決める(Positioning)フレームワークです。3CやSWOTで環境を理解した後、「結局、誰を狙うのか」を決めるために使います。詳しくは個別記事で解説しています。

施策を設計する

戦略が決まったら、施策に落とす段階です。

4P分析

Product(商品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)の4つから、企業側の視点でマーケティング施策を設計します。何を、いくらで、どこで、どう伝えて売るかを具体化します。

4C分析

顧客価値(Customer Value)、コスト(Cost)、利便性(Convenience)、コミュニケーション(Communication)という顧客視点から施策を見るフレームワークです。4Pが企業側、4Cが顧客側、と対で理解すると分かりやすくなります。

4Pと4Cはセットで使う

Product⇔顧客価値、Price⇔コスト、Place⇔利便性、Promotion⇔コミュニケーション、と対応させて点検します。企業側で設計し、顧客側で確認する。この往復が施策の精度を高めます。対応関係の詳細は4C分析の個別記事で解説しています。

顧客行動を理解する

顧客行動を理解する

顧客の行動と心理を整理する3つです。

カスタマージャーニー

顧客が認知→興味→比較→購入→継続に至る行動・感情・接点を「旅」として整理します。どこで商品を知り、何と比較し、どこで不安になるのかを可視化することで、施策の抜けが見つかります。作り方は個別記事で解説しています。

AIDMA

Attention(注意)→Interest(興味)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(行動)という購買心理の流れを整理した古典的なフレームワークです。広告や店頭など、従来型の購買プロセスの整理に向いています。

AISAS

Attention→Interest→Search(検索)→Action→Share(共有)という、Web時代の購買行動を表したフレームワークです。「検索」と「共有」が入っているのが特徴で、SEOやSNSを含む現代の顧客行動を考えるときに使いやすい型です。

成長と改善を考える

事業の方向性と、施策の継続改善に使う2つです。

アンゾフの成長マトリクス

市場(既存/新規)×商品(既存/新規)の4象限で成長戦略を整理します。市場浸透(既存×既存)、市場開拓(新市場×既存商品)、商品開発(既存市場×新商品)、多角化(新×新)。「今の商品をもっと売るのか、新しい顧客を狙うのか」という成長の方向性を決めるときに使います。

PDCA

Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)を繰り返す考え方です。広告を出して終わり、記事を書いて終わりにせず、施策→計測→分析→改善を回し続けることが、マーケティングの成果を積み上げます。

フレームワークを使う順番

フレームワークを使う順番

戦略をゼロから作る場合の、フレームワークのつなげ方を8ステップで示します。

PEST分析で外部環境を見る(STEP1)→3C分析で市場・顧客・競合・自社を見る(STEP2)→SWOT分析で強み・弱み・機会・脅威を整理する(STEP3)→STP分析で誰を狙い何で選ばれるかを決める(STEP4)→4P・4C分析で商品・価格・届け方・伝え方を決める(STEP5)→カスタマージャーニーで顧客との接点を設計する(STEP6)→SEO・広告・Web・営業などの施策を実行する(STEP7)→KPIを計測しPDCAで改善する(STEP8)。

すべてのステップが毎回必要なわけではありません。大切なのは、フレームワークを個別に使うのではなく、市場分析→戦略→施策→改善という一連の流れとしてつなげることです。

フレームワークの選び方

「今、何を知りたい・決めたいのか」から逆引きできるように整理します。

知りたい・決めたいこと 使うフレームワーク
市場の変化・競争環境を知りたい PEST/5フォース/3C
自社の強みや勝ち筋を整理したい 3C/SWOT
ターゲットを決めたい STP
商品や施策を設計したい 4P/4C
顧客の行動を理解したい カスタマージャーニー/AIDMA/AISAS
事業の成長方向を考えたい アンゾフの成長マトリクス
施策を改善したい PDCA

「有名だから使う」のではなく、「今、何を判断したいのか」からフレームワークを選んでください。

よくある失敗

フレームワークが機能しないときの典型パターンを5つ挙げます。

  • 埋めることが目的になる: 3つの表がきれいに埋まっても、「だから何をするのか」が決まっていなければ、分析資料を作っただけ
  • すべてを使おうとする: フレームワークの数と戦略の精度は比例しない。必要なものだけを使う
  • 情報収集だけで時間を使う: データを大量に集めても意思決定できなければ意味がない。「この情報から何が言えるか」の仮説が必要
  • フレームワークに現実を当てはめる: 現実の市場や顧客は型どおりに動かない。枠に入らない情報を無視しない
  • 一度作って終わる: 市場・競合・顧客・自社は変化する。定期的に情報を更新し、戦略も見直す

AIで効率化する方法

生成AIを使えば、フレームワークを使った情報整理や仮説作成を高速化できます。

3C分析なら競合情報・口コミ・インタビューの整理、SWOT分析なら4象限の仮説出し、STP分析ならセグメント候補やポジショニング案の複数作成、4P・4Cなら改善案の壁打ち。整理・比較・案出し・仮説作成はAIの得意領域です。

ただし、「この会社のSWOT分析をしてください」とAIに丸投げするだけでは、一般論の分析になります。AIには材料の整理と選択肢の提示を任せ、誰を狙うか・どこに投資するか・何をやらないかといった最終的な意思決定は人間が行う。この分担が前提です。具体的な進め方は、AI活用の個別記事で解説しています。

【プロの視点】埋めて終わらせない

【プロの視点】埋めて終わらせない

フレームワークは「分析するためのツール」と思われがちです。しかし、本来重要なのは、分析した後に何を決めるかです。

 

3C分析なら、市場・競合・自社を調べるだけでは不十分です。そこから「では、誰を狙うのか」「何を強みにするのか」「競合とどう違うのか」「何をやらないのか」まで決める。

フレームワークの完成条件は「表が埋まったこと」ではなく、「次の意思決定ができたこと」。フレームワークは分析ツールではなく、意思決定ツールです。この捉え方ひとつで、同じ分析からでも得られる成果が変わります。

【waltsu視点】流れで考える

フレームワークを学ぶと、3C、SWOT、STP、4P、4Cをそれぞれ独立した手法として覚えがちです。しかし実務では、すべてがつながっています。

3C分析「どこにチャンスがある?」→STP「誰を狙い、何で選ばれる?」→価値提案「その顧客に何を提供する?」→4P・4C「どう届ける?」→施策「SEO・広告・Web・営業で何をする?」→KPI「成果が出ているか?」→改善「何を変える?」。

重要なのは、「どのフレームワークを知っているか」ではありません。顧客・市場を理解し、戦略を決め、施策へ落とし込み、成果を見て改善する。このマーケティング全体の流れを理解したうえで、必要な場所に道具としてフレームワークを差し込む。waltsuが戦略支援で徹底しているのは、この「流れ」の設計です。

よくある質問

マーケティングフレームワークとは簡単にいうと?

マーケティングの課題や情報を整理し、戦略や施策について意思決定するための「思考の型」です。

最もよく使うフレームワークは?

目的によって異なりますが、3C分析・SWOT分析・STP分析・4P分析・4C分析は、環境分析から施策設計までをカバーする代表的なフレームワークです。

初心者はどれから覚えるべき?

まずは3C→STP→4P・4Cの流れを理解するのがおすすめです。環境分析から戦略、施策設計までの基本的な流れをつかめます。

3C分析とSWOT分析の違いは?

3C分析は顧客・競合・自社という視点から事業環境を分析するもの、SWOT分析は強み・弱み・機会・脅威という視点から情報を整理して戦略を考えるものです。3Cで調べ、SWOTで整理する、という順で相性良く使えます。

SWOT分析とSTP分析はどちらが先?

一般的には、市場・競合・自社を分析→SWOTで状況を整理→STPでターゲットとポジションを決める、という流れが整理しやすい順番です。

フレームワークはすべて使う必要がある?

ありません。フレームワークごとに役割が異なるため、「今、何を知りたい・決めたいのか」に合わせて必要なものだけを選んでください。

AIでフレームワーク分析はできますか?

情報整理・競合比較・口コミ分析・仮説作成はAIで効率化できます。ただし、AIの分析をそのまま戦略として採用せず、実際の顧客・市場データを確認し、人間が最終的な意思決定を行うことが重要です。

まとめ

この記事の要点

・フレームワークは、情報を整理し意思決定を支援する「思考の型」
・12種類は目的別(市場・戦略・施策・顧客・成長改善)に選ぶ。全部使う必要はない
・基本の流れは3C→STP→4P・4C。個別でなく一連の流れとしてつなげる
・完成条件は表が埋まることではなく、次の意思決定ができたこと

マーケティングフレームワークとは、情報や課題を整理し、意思決定を支援するための思考の枠組みです。ただし、重要なのはフレームワークをたくさん覚えることではありません。市場を知り、顧客を知り、自社の勝ち筋を考え、ターゲットを決め、施策を設計し、実行して改善する。このマーケティング全体の流れの中で、考えるべきことを整理するための道具がフレームワークです。

「どのフレームワークを使うか」ではなく、「何を判断するために使うのか」から考えてみてください。フレームワークで整理はできたものの、そこから先の意思決定や施策への落とし込みが進まない場合は、waltsuが分析から戦略設計、実行までご支援します。

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この記事を書いた人

藤井 俊輔

代表取締役

藤井 俊輔/ フジイ シュンスケ

ベンチャー企業の外部CMOや水族館のマーケティング担当などに従事。オンライン/オフライン問わず集客を中心としたマーケティング施策に強み。

システム・アプリ開発Web広告運用Web集客全般
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