・CMSという言葉は聞くが、何をする仕組みかを説明できない
・サイトの作り直しで、どのCMSにするかを決める立場になった
・CMSの種類やヘッドレスとの関係を、全体から整理したい
サイトの更新について制作会社に相談すると、「CMSを入れましょう」と言われることがあります。名前は聞いたことがあっても、入れると何が変わるのかまでは分かりにくいものです。
CMSとは、文章や画像をデータとして管理し、Webページとして表示するまでを受け持つソフトウェアです。先にお伝えしたいのは、CMSを選ぶことは、更新・保守・表示を誰が持つかを決めることだという点です。本記事では、できること、仕組み、HTMLを直接書く場合との違い、種類、選ぶときの観点を、2026年10月時点の公開情報で整理します。
この記事のゴール(読了目安 約7分)
CMSが何をする仕組みかを説明でき、種類ごとの違いと、自社で選ぶときに確かめることが分かるようになる。
CMSとは
コンテンツを管理するソフトウェア
CMSはContent Management Systemの略で、日本語ではコンテンツ管理システムと呼ばれます。開発者向けの用語集MDNは、文章だけでなく画像や動画、音声も含むコンテンツを、利用者が発行・編集・変更・削除できるようにするソフトウェアと説明しています。
HTMLを書かずに更新できる
更新担当は、管理画面の入力欄に文章を入れ、画像を選んで公開のボタンを押します。ページの形は先に用意されているので、HTMLやCSSを知らなくてもページを足せるのがCMSの特徴です。
CMSでできること
CMSで日常的に行う作業は、主に次の4つです。
- ページを足す・直す: お知らせや記事を、決まった形で公開する
- 下書きと公開の予約: 公開前に保存し、日時を決めて出す
- 権限を分ける: 書く人、確かめる人、公開する人を分ける
- 一覧を自動で作る: 記事を足すと、一覧ページや新着欄に並ぶ
最後の一覧の更新は、HTMLを直接書くサイトでは手作業になる部分です。記事の数が増えるほど、この差が大きくなります。
CMSの仕組み
CMSは、管理画面、データベース、表示の仕組みの3つでできています。
更新担当が管理画面で入れた文章や画像は、データベースにデータとして保存されます。閲覧者がページを開くと、表示の仕組みが保存された中身を取り出し、テンプレートと呼ばれるページの型に流し込んでHTMLを組み立てます。
中身と見た目を分けて持つので、型を1か所直せば、同じ型を使う全ページの見た目がそろって変わります。逆に、型に無い見せ方をしたいときは、型そのものを作り足すことになります。

HTMLを直接書く場合との違い
CMSを使わずに、HTMLのファイルを直接書いてサーバーに置く作り方もあります。違いは次のとおりです。
更新の少ないサイトなら、HTMLを直接書く作り方でも回ります。一方でCMSは、動くソフトウェアが増える分、版を上げる仕事が加わります。IPAも企業ウェブサイト向けの脆弱性対応ガイドで、構築に使うソフトウェアは可能な限り最新版を使い、名前とバージョンを控えておくよう求めています。
CMSの3つの種類
CMSは、提供の形で次の3つに分かれます。
オープンソースは、ソースコードが公開されたソフトウェアで、本体は無料で使えます。WordPressやPayload CMSがこの形です。ただし、サーバー代と版の更新の手間は自社側に残ります。
クラウドは、月額の料金と引き換えに、本体の更新とサーバーを提供元が持ちます。パッケージは、企業向けの商用製品のライセンスを買って使う形で、保守の範囲は契約で決めます。

一体型とヘッドレス
提供の形とは別に、表示の持ち方でも分かれます。管理画面と表示を1つの仕組みで持つのが一体型、中身の管理だけを持ち、表示は別に作るのがヘッドレスCMSです。
ヘッドレスでは、中身をAPIという窓口で渡すため、同じ記事をWebサイトとアプリの両方に出せます。その代わりに要るのが、表示側を作って保守する体制です。仕組みと向き不向き、移行の確認点は、別記事で解説しています。
入力欄をコードで定義するPayload CMSのような作りもあります。Payload CMSの仕組みと料金は、別記事で解説しています。導入前の注意点や、ほかのCMSとの比較も、別記事で扱う予定です。
数字で見る利用状況
Web技術の利用を調べるW3Techsの集計(2026年10月12日時点)では、同社が調べているCMSのどれも使っていないサイトが31.6%です。言い換えると、約7割のサイトが何らかのCMSで動いています。
WordPressは全サイトの40.1%で使われ、CMSを使うサイトの中では58.6%を占めます。WordPress.orgによると、WordPressは2003年に始まったオープンソースのソフトウェアで、ライセンスはGPLv2以降です。
利用の多さは、自社の体制に合うかとは別の話です。数字は、どれだけのサイトがCMSで動いているかを知る目安として読みます。

選ぶときの観点
選ぶときは、製品名から入らず、次の5つを先に決めます。
- 誰が更新するか: 管理画面だけで回す人か、コードを書ける人か
- 本体の更新を誰が持つか: 自社、委託先、提供元のどれか
- 表示を誰が作るか: 用意された型を使うか、表示側を別に開発するか
- 中身をどこへ渡すか: Webサイトだけか、アプリや社内の仕組み、AIにも渡すか
- 書き出せるか: CMSを替えるとき、中身を一括で取り出せるか
5つが決まると、候補は種類の段階で絞れます。ヘッドレスCMSのツールごとの料金や日本語対応は、別記事で比べています。
【プロの視点】製品名より持ち主で選ぶ
CMSの検討は、製品名の比較から始まりがちです。機能表を並べ、使っている会社が多いものを候補に残します。
けれど公開後に困るのは、機能が足りないときより、担当の決まっていない仕事が出てきたときです。本体の版を上げる、崩れた表示を直す、更新担当が替わったときに画面の使い方を引き継ぐ。どれも製品の機能表には載りません。
CMSを選ぶとは、更新・本体の保守・サーバー・表示の4つの持ち主を決めることです。種類の違いは、そのうちどれを提供元が持ってくれるかの違いとして読めます。
明日やる最初の一歩は、今のサイトについて4つの仕事を書き出し、それぞれの横に担当者の名前を書いてみることです。空欄が残った仕事が、CMSを選ぶときに最初に確かめる点です。

【waltsu視点】画面で足せる、の次へ
CMSが広まったのは、開発者がいなくても画面の操作でページや機能を足せたからです。HTMLを書けない人がサイトを更新できることが、長くCMSの強みでした。
AIがコードを書くようになった今、その作業の一部はAIが肩代わりできます。waltsuは、CMSを選ぶ基準が「画面で足せるか」から、AIが中身と設定を読み書きでき、AIのした変更を人が確かめられるかへ移ったと考えています。入力欄や処理がコードで定義され、変更が差分として残る作りなら、AIに頼んで試し、合わなければ戻す1回が軽くなります。
ただし、作るのが速くなるほど差が出るのは、動かし続ける体制です。版の更新や脆弱性への対応を誰が持ち、AIの書いた変更を読んで止められる人がいるかで、任せられる範囲が決まります。
明日やる最初の一歩は、直近半年にサイトへ加えた変更を5つ書き出し、誰が行い、どこに記録が残っているかを確かめることです。
よくある質問
CMSとは簡単にいうと?
HTMLを書かずに、管理画面からWebサイトの文章や画像を更新するためのソフトウェアです。中身をデータとして保存し、決まった型でページにします。
CMSの読み方と意味は?
「シーエムエス」と読み、Content Management Systemの略です。日本語ではコンテンツ管理システムと呼ばれます。
CMSを使わないサイトもある?
あります。W3Techsの集計では、調べているCMSのどれも使っていないサイトが31.6%です。更新の少ないサイトは、HTMLを直接書く作り方でも回ります。
無料のCMSはある?
オープンソースのCMSは、本体を無料で使えます。ただし、サーバー代と版の更新の手間は自社側にかかります。
CMSは途中で替えられる?
替えられますが、中身の移し替えとURLの転送が要ります。契約の前に、中身を一括で書き出せるかを確かめておきます。
この記事の要点
・CMSは、中身をデータとして保存し、型に流し込んでページにするソフトウェア
・HTMLを直接書く場合と比べ、更新は楽になるが版を上げる仕事が加わる
・種類はオープンソース、クラウド、パッケージの3つと、一体型・ヘッドレスの別
・選ぶときは製品名より、更新・本体の保守・サーバー・表示の持ち主を先に決める
まとめ
CMSは、管理画面・データベース・表示の仕組みで、HTMLを書かずにサイトを更新できるようにするソフトウェアです。種類によって、本体の更新やサーバー、表示を誰が持つかが変わります。
自社に合うCMSは、更新する人と、動かし続ける体制から決まります。CMSの選定や、AIと人で更新を回す体制づくりに迷う場面が出てきたら、waltsuが今のサイトの状況をもとにご支援します。
