・ヘッドレスCMSを使うと決め、候補を2〜3本に絞りたい
・料金の仕組みや、管理画面が日本語で使えるかを比べたい
・比較記事の情報が今も正しいのか不安がある
ヘッドレスCMSを選ぼうとして比較記事を開くと、同じような製品名が並びます。ところが料金の数え方も、管理画面の言語も、サーバーを誰が持つかも製品ごとに違い、表だけでは決めにくいものです。
本記事では、日本の企業が検討しやすい8つのツールを、2026年10月時点の公式情報で比べます。機能の多さより、運用形態と料金の数え方、提供元の動きで選びます。選び方、一覧表、形態ごとの特徴、料金の見方、選ぶ前の確認点を整理します。
この記事のゴール(読了目安 約8分)
8つのヘッドレスCMSの形態・料金・日本語対応の違いを説明でき、自社の体制に合う候補を2〜3本に絞れるようになる。
ヘッドレスCMSツールの選び方
運用形態で3つに分かれる
ヘッドレスCMSは、中身の管理だけを持ち、表示は別に作るCMSです。仕組みやWordPressとの違いは別記事で解説しています。ツールは運用形態で、クラウドで借りるSaaS、自社で動かすオープンソース、WordPressのヘッドレス利用の3つに分かれます。
比べる4つの軸
形態を決めたら、次の4つで比べます。
- 料金の数え方: 人数、プロジェクト、利用量のどれで増えるか
- 管理画面の日本語: 更新担当が日本語の画面で使えるか
- 保守の担い手: サーバーと版の更新を誰が持つか
- 提供元の動き: 終了や買収で条件が変わっていないか

8つのツールを一覧で比べる
2026年10月時点の公式サイトの情報を並べると、次のとおりです。
ドル建ての価格は、為替と税で支払額が変わります。海外で定番のHygraphやDirectusは、日本語の情報が少なく、有料の入口も月199ドルから、年契約で月499ドルと高めのため外しました。無料の範囲は人数で比べると差が大きい点も押さえておきます。
国産のSaaS
microCMS
APIベースの日本製ヘッドレスCMSで、画面もドキュメントも日本語です。無料のHobbyは3名・API 5個まで、Teamは月4,900円から、Businessは月75,000円からです。Teamから先は、人数やAPIの数を足すごとに料金が上がります。Hobbyはデータ転送が月20GBまでで、超えるとAPIが止まる点に注意が要ります。
Kuroco
導入6,000社以上を公表する国産のヘッドレスCMSで、料金は利用量に応じた従量課金が基本です。毎月1,100円分の無料枠があり、予算を固定したい場合は定額制も選べます。政府の情報システム向けの認定を受けたクラウドだけで組む、年額のパッケージも用意されています。
海外のSaaS
Contentful
世界の4,800以上のブランドが使うとされる海外製のサービスで、2026年9月1日にSalesforceによる買収が完了しました。無料プランは10人まで、有料のLiteは月300ドルで、20人・API呼び出し月100万回までです。管理画面は英語・フランス語・ドイツ語に対応し、日本語はありません。
Sanity
管理画面を自社の開発で作り込める点が特徴です。無料プランは20席まで、Growthは1席あたり月15ドルで、閲覧だけの人は席に数えません。APIの呼び出し回数には上限があり、超えた分を払って使えるのはGrowthからです。日本語の画面は、有志が保守する追加部品で対応します。訳の初版はAIによるもので誤りがありうると、部品の説明に書かれています。
Storyblok
ページを見ながら部品を並べて編集できる、マーケティング担当向けのサービスです。無料のStarterは1席(最大2)、Growthは月99ドルで5席付き、Growth Plusは月349ドルです。画面の日本語訳は公開されていますが、訳の保管庫は2026年8月に更新を止めています。

自社で動かすオープンソース
Strapi
自社のサーバーで動かすなら、Community版は無料です。編集の下書き確認などが付くGrowthは月45ドルで3席付き、公式クラウドは1プロジェクト月35ドルからで、料金表に無料プランは載っていません。管理画面は英語が標準で、日本語は設定で追加します。
Payload
開発者がコードで入力欄を定義するCMSで、MITライセンスの無料のソフトです。2025年6月にFigmaの傘下に入り、オープンソースと自社運用は続けると公表しています。公式クラウドは新しいプロジェクトの受付を止めているため、2026年10月時点では自社でサーバーを用意する前提です。
WordPressを残すという選択
8つ目の候補は、新しいツールではなく今のWordPressです。標準のREST APIで中身を取り出せるため、管理画面を残したまま表示だけを別に作れます。更新担当が慣れた画面を残せるのが最大の利点です。
費用の面では、本体は無料で、サーバーも今の契約をそのまま使えます。ただし、本体とプラグインの版を保つ保守は自社持ちのままで、そこに表示側の保守が加わる形です。CloudflareのEmDashのように、WordPressの後継をうたう新しいCMSも出てきています。
料金の数え方を比べる
月額の入口だけを並べても、増え方が違えば比べられません。数え方で分けると次のとおりです。
編集者が多いなら席課金は割高に、サイトが多いならプロジェクト課金が重くなります。
選ぶ前に確かめること
候補を絞ったら、契約の前に次の4つを確かめます。料金表より先に、使えなくなる条件を見ておくほうが、後の作り直しを防げます。
- 提供が続くか: 終了の告知や買収の後で、条件が変わっていないか
- データを書き出せるか: 移るときに一括で取り出せる形式か
- 日本語の窓口: 困ったときに日本語で問い合わせられるか
- 保守の担い手: オープンソースなら、版の更新を誰が続けるか
【プロの視点】比較表の日付を見る
ツール比較は、機能と料金の表で語られがちです。ところがヘッドレスCMSは、この1年半で提供元の状況が大きく動きました。
国産のNewtは2025年5月に新規の受付を終え、2026年11月24日に管理画面もAPIも止まります。Payloadは2025年6月にFigmaの傘下に入り、公式クラウドの新規受付を止めました。Contentfulは2026年9月にSalesforceの一部になりました。
それでも、2026年2月に更新された国内の比較記事が、Newtを「無料で始められる」と今も紹介しています。比較表は書かれた日から古くなり始めるのです。
見るべきは機能の丸の数ではなく、表がいつ時点のものか、提供元の告知に何が出ているかです。明日やる最初の一歩は、候補ごとに公式のお知らせ欄を開き、直近1年の告知を読むことです。

【waltsu視点】書ける人を増やせるか
料金表で見落とされやすいのは、編集する人を1人足したときの増え方です。Sanityは1席ごとに月15ドル、Strapiの自社運用版は3席を超えると1席月15ドル、microCMSはTeam以上で1人あたり月1,200円が加わります。
費用を抑えようと編集の権限を絞ると、現場が気づいた修正も、権限を持つ担当者を経由して直すことになります。waltsuが編集の軸にしているのは、試行回数を増やすことです。書ける人が減れば、ページを変えて試す回数も減ります。料金は、書ける人の数を何人まで増やせるかという目で読むのが、この局面での見方です。
明日やる最初の一歩は、今後1年でサイトを書き換えたい人を部署ごとに数え、その人数で候補ごとの月額を出し直すことです。

よくある質問
無料で使えるツールは?
microCMS、Contentful、Sanity、Storyblokに無料プランがあり、Kurocoには毎月の無料枠があります。人数やAPIの上限は製品ごとに違うので、本番の規模で収まるかを確かめます。
日本語で使いやすいのは?
画面とサポートが日本語なのは、国産のmicroCMSとKurocoです。海外製では、Contentfulは日本語の画面がありません。
Newtは今から使える?
使えません。2025年5月に新規の受付を終え、2026年11月24日にサービスが終わります。
オープンソースなら無料?
ソフトは無料ですが、サーバー代と版の更新の手間がかかります。保守を外部に頼むなら、その費用も含めて比べます。
WordPressと併用できる?
できます。WordPressを管理画面として残し、REST APIで中身を取り出して表示だけ別に作る構成が取れます。
この記事の要点
・ツールはSaaS、オープンソース、WordPressのヘッドレス利用の3形態に分かれる
・料金は人数・プロジェクト・利用量など数え方が違い、入口の月額だけでは比べられない
・管理画面の日本語は、国産2つ以外は製品ごとに対応がまちまち
・Newtの終了など提供元の変化が大きく、比較表は日付を確かめて使う
まとめ
ヘッドレスCMSのツールは、運用形態で候補を絞り、料金の数え方、管理画面の日本語、保守の担い手、提供元の動きで比べます。2026年10月時点では、国産ならmicroCMSとKuroco、海外ならContentful、Sanity、Storyblok、自社で動かすならStrapiとPayloadが主な候補です。
表の数字はすぐに古くなるので、契約の前に公式の料金ページと告知を確かめてください。ツールの選定や、保守と更新の体制づくりに迷う場面が出てきたら、waltsuがサイトの運用まで見すえてご支援します。
