・DevinとClaude CodeやCopilotの違いが分からない
・記事ごとに料金の説明が違い、今いくらなのか知りたい
・自社の開発に入れる前に、任せ方と注意点を押さえたい
「自律型のAIエンジニア」と紹介されることの多いDevin。料金の説明は記事によってばらばらで、Claude CodeやGitHub Copilotとの違いも「自律度が高い」の一言で終わりがちです。社内のコードを預けて大丈夫なのか、判断材料が揃いません。
Devinは、米Cognitionが開発した、コードを書き・実行し・テストできる自律型のAIエージェントです。Devinは隣で一緒に書くAIではなく、仕事を預けて結果を受け取るAIで、成果を左右するのは性能より、預ける仕事の切り出し方と受け取り方の設計です。本記事では、できること、2026年9月時点の料金、他のツールとの違い、導入前に決めることを整理します。
この記事を監修した人

AIエンジニア
小洞 映ハユル コボラ
この記事のゴール(読了目安 約10分)
Devinに何を預け、人がどこで関わるかを説明でき、料金と他ツールとの違いを踏まえて、自社で最初に預ける1件を決められるようになる。
Devinとは
Cognitionの「AIソフトウェアエンジニア」
公式ドキュメントはDevinを自律型のAIソフトウェアエンジニアと説明し、エンジニアリングチームがたまった仕事を片付けるのを助けるものと位置づけています。
2024年3月12日の発表では自らを「最初のAIソフトウェアエンジニア」と称し、同年12月10日に一般提供が始まりました。2026年4月には日本での展開を発表しています。
補完ではなく、仕事を預かる
入力中のコードに候補を出すのではなく、チケット1件を預かり、実装とテストを経てプルリクエスト(変更の提案)で返すのが基本です。Cognitionは「手元のエージェントはあなたを速くし、クラウドのエージェントはあなたがいない間に仕事をする」と区別し、Devinを後者に置いています。

Devinに任せられる仕事
公式が挙げる得意分野を、本記事では3つに分けて紹介します。
チケットから変更の提出まで
LinearやJiraのチケット、機能の追加、バグの再現と修正、社内ツールづくりです。SlackやMicrosoft Teamsで@Devinと呼びかけて依頼し、GitHubなどとつないでプルリクエストを受け取れます。
移行やテスト追加の量産
コードの移行、フレームワークの更新、リファクタリング、単体テスト、ドキュメントの更新です。日次や週次の定期実行も組めます。
コードを読んで答える
コードベースへの質問に答える機能や、リポジトリの説明書を作る機能、大きな差分を整理してレビューを助ける機能があります。機能は更新が速いので、導入時に公式の最新の仕様を確認してください。
1件の仕事が進む流れ
専用の作業環境で動く
Devinはターミナル、エディタ、ブラウザを備えた自分の作業環境で動き、スクリーンショットや録画で変更を確かめられます。操作の無い状態が既定で30分続くと休止し、休止中は利用量を消費しません。
計画から提出まで
範囲を決め、実装し、テストや型チェックを通るまで繰り返してから、プルリクエストを出します。テストが通るまで自分で直してから提出するのが特徴です。大きな仕事は、管理役のDevinが分けて、複数のDevinに並行で進めさせることもできます。
人が関わる3つの場面
預ける前に完了条件を書く
公式は、預けるかを見極める問いを3つ挙げています。
- 成功の条件: はっきり書けるか
- 文脈: 参照できる情報は足りているか
- 分割: 小さく分けたほうがよいか
大きさの目安は「自分なら3時間以内で終わる仕事なら、おそらくできる」です。
途中で指示を足しすぎない
Cognition自身が、開始後に指示を足し続けると成績が落ちやすいと説明しています。足したくなったら、止めて依頼を書き直すほうが確実だと本記事は考えます。
マージするかは人が決める
公式の説明では、Devinのプルリクエストは人がレビューしてマージを判断し、Devinも人と同じブランチ保護に従う仕組みです。ただし自動マージを有効にすると、必須のチェックが通った時点でマージされます。人の関わり方を決めるのは、マージの条件に人の承認を入れるかです。この任せ方は、自律型AIエージェントの自律性の段階に当てはめると整理できます。

Devinの料金とプラン
Cognitionは2026年4月14日に、自分で契約するプランを刷新しました。下の表は2026年9月時点の公式ドキュメントの記載で、正式な金額は公式サイトの料金ページで確認するよう公式が案内しています。
金額はドル建てで、円での請求や税の扱いは公式で確認してください。なお、Teamsの人数の上限は公式ドキュメントと料金ページで表記が異なるため、契約前に確認してください。調べるときは、2026年4月以前の体系と混ざらないよう、記事の日付も確かめましょう。
料金で見落としやすい点
月額だけで比べると、実際の額を読み違えます。見落としやすいのは次の4つです。
- 作業量で減る: Devinが取った行動の数と複雑さで消費し、返事やテストを待つ間はほとんど消費しません
- 枠を超えるとクレジット: 超えた分はクレジットで続き、クレジットは失効しません
- チームは共有: Teamsではクレジットを全員で共有します
- 上限は管理者が決める: 自動補充のしきい値とセッションの支出上限を設定できます
公式は、範囲を決めた依頼と、1回に1つの仕事を勧めています。依頼の書き方が、そのまま利用額を左右します。
Claude Code・Copilotとの違い
4つとも「コードを書くAI」ですが、優劣ではなく、中心に据えた使い方で比べます。
預けるか、隣で書くか
本記事では、その場で考えながら書く仕事か、完了条件を書いて預けられる仕事かで選びます。前者に合うのは手元で対話するツール、後者はDevinです。一方を正解にせず、仕事ごとに使い分けます。
クラウドかどうかでは分けにくい
4つともクラウドで預ける手段を持ち、Devinにも手元で動いてクラウドへ引き継げるCLIがあるため、クラウド型か手元型かでは分けにくいのが実情です。
2026年6月に発表されたDevin Desktopは、手元とクラウドのエージェントを1か所で管理するもので、複数のエージェントを管理する開発環境の考え方と重なります。
Devinが向く開発・向かない開発
向く開発
- 確かめられる仕事: 要件が先に決まり、成果を検証できる
- 小さく分けられる仕事: 人なら3時間以内の大きさにできる
- 同じ形が続く仕事: 移行やテストの追加
向かない開発
- 要件が曖昧な開発: 独力で最後まで進めることはできないとCognitionは説明しています
- 成果を確かめにくい仕事: 見た目のデザインは細かな指定と人の確認が要ります
- 関係者との調整: 人のマネジメントも任せられません
曖昧さを減らすために要るのが、預ける前に設計を固める力です。
導入前に決める4つのこと
触れるリポジトリを絞る
GitHubとつなぐときは、全リポジトリか特定のリポジトリだけかを選べます。認証情報の渡し方として公式が案内しているのは、専用の保管機能です。AIエージェントのリスクを踏まえ、最初は試すリポジトリだけに絞ります。
マージの条件を決める
公式は、メインのブランチに保護を設定し、必須のチェックを通るまでマージできないようにするよう勧めています。テスト、静的解析、人の承認のどれを条件にするかを先に決めます。
学習利用の設定を確かめる
公式の説明では、既定ではデータが学習に使われる場合があります。有料プランならオプトアウトでき、Teamsでは操作できるのが管理者だけです。Enterpriseは書面の事前同意なしに学習に使わないとしています。
使う上限を決める
管理者はセッションごとの支出上限を設定できます。本記事の提案は、月の予算を先に決め、上限を低めに置いて始めることです。
小さく試して数字で判断する
最初の1件の選び方
- テストがある小さな修正: 人なら3時間以内で終わるもの
- 戻せるリポジトリ: 本番に直接出ない場所
- 学習利用の確認: 無料プランなら公開してよいコードで試す
- レビューする人: 社内にいなければ外部の開発パートナーに頼む
経営者が見る3つの数字
- マージまで届いた割合: 預けた件数のうち、マージされた件数
- 人の手直しとレビューの時間: 1件あたりに人が使った時間
- 1件あたりの利用額: 利用枠とクレジットを合わせた額
チーム全体の速さと安定性は、AI駆動開発で経営が見る指標で捉えます。
【プロの視点】完了条件が品質の上限
Devinの使い方は「テストが通れば終わり」「指示は明確に」で語られがちです。見るべきは性能ではなく、完了条件と必須のチェックが何を見ていて、何を見ていないかです。
Devinはテストが通るまで直して提出し、自動マージなら必須のチェックの通過でマージされます。Cognition自身も、成果を確かめにくい仕事は人の確認が追加で要るとしています。完了条件に書かれていない品質は、誰も守っていません。
公開済みのブログ記事に内部リンクを足す作業で、AIエージェントが、前の作業で残っていた古い本文をもとに編集しかけたことがあります。Devinではなく、自社のブログ運用で使っている別のAIエージェントでの出来事です。古い本文には、記事に既にあった内部リンクと出典あわせて21本が入っておらず、構造や改行を確かめる自動の検証はリンクを数えていなかったため、21本が消えたまま本番に載る寸前でした。止めたのは検証ではなく、リンクの本数が合わないことに気づいた人で、以後はリンクが減っていないかも検証に加えています。
検証を通ったことは、検証が見ている範囲で正しいことしか意味しません。Devinに預けても、保証されるのは依頼に書いた完了条件までです。
明日やる最初の一歩は、預ける予定のリポジトリで、マージ前の必須チェックに何が入っているかを書き出し、入っていない品質を1つ挙げることです。そこを人が見ます。

【waltsu視点】受け取れた数を数える
Devinは並行して動かせるため、同時に多く預けるほど試行回数が増えると考えがちです。
記事の本文をまとめて直す作業で、AIエージェントを8体同時に動かしたことがあります。これもDevinではなく、自社のブログ運用で使っている別のAIエージェントでの出来事です。2体が終わった時点で利用上限に達し、残り6体は途中で止まって作業の結果を残さず消えたため、上限が解除されてから同じ作業をやり直しました。8体を動かして、その回に受け取れたのは2体分だけで、以後、同時に動かすのは3体までにしています。
waltsuの考えでは、試行回数は、同時に動かした数ではなく、途中で止まらずに受け取れた件数で数えます。受け取った結果を次の依頼に反映して、はじめて1回の試行です。
Devinは利用枠を超えてもクレジットで作業を続けられる仕組みですが、同時に預けた数だけ枠は早く減り、超えた分の支払いが増えます。並行の数は速さではなく、枠と予算から逆算して決めます。学んだことはナレッジとして残し、次のセッションで参照させられます。
明日やる最初の一歩は、最初の1週間に同時に預ける件数を少なめに決め、マージまで届いた件数と1件の利用額を記録することです。

よくある質問
Devinは無料で試せる?
無料プランがあり、利用量に制限のある範囲で試せます。ただし学習利用をオプトアウトできるのは有料プランなので、非公開のコードを預ける前に設定を確認してください。
エンジニアがいなくても使える?
Devinはエンジニアリングチームを支援する位置づけで、プルリクエストは人がレビューしてマージを判断する前提です。レビューできる人を社内か外部に置いてから使いましょう。
Claude Codeとどう使い分ける?
手元で対話しながら書く仕事はClaude Code、完了条件を書いて預けられる仕事はDevinが合います。クラウドで預けられるかどうかでは分けにくいのが実情です。
入力したコードは学習に使われる?
公式の説明では、既定では使われる場合があります。有料プランならオプトアウトでき、Teamsで操作できるのは管理者だけです。Enterpriseは書面の事前同意なしに学習に使わないとしています。
WindsurfとDevinの関係は?
Cognitionは2025年7月にWindsurfの買収で最終合意し、2026年6月に「Windsurfの次世代」としてDevin Desktopを発表しました。Windsurfとの互換性を保つとしています。
この記事の要点
・Devinは隣で書くAIではなく、仕事を預けてプルリクエストで受け取るAI
・人が関わるのは、預ける前・途中・マージの3つの場面
・料金は2026年9月時点で5プラン。枠・クレジット・学習利用の設定を先に確認する
・最初はテストのある小さな1件から。マージまで届いた割合と利用額で判断する
まとめ
Devinは、仕事を預けてプルリクエストで結果を受け取るAIです。人が関わるのは、預ける前に完了条件を書く、途中で指示を足しすぎない、マージを人が決める、の3つの場面です。
料金は月額よりも、作業量で減る利用枠、超過分のクレジット、学習利用の設定で差が出ます。成果を左右するのは性能より、預ける仕事の切り出し方と、完了条件で何を確かめるかの設計です。
まずはテストのある小さな1件を預け、マージまで届いた割合と1件の利用額を記録してみてください。そのうえで、どの開発業務をDevinに預け、どこに人の確認を置くかに迷う場面が出てきたら、waltsuが預ける仕事の切り出しと確認の仕組みづくりからご支援します。
