・制作会社からmicroCMSを提案され、中身を知りたい
・無料でどこまで使えるかを確かめたい
・AIとつなぐときの注意を先に知りたい
サイトの作り直しで、制作会社の提案にmicroCMSの名前が出てくることがあります。ただ、管理画面があるのか、無料で足りるのかは名前だけでは分かりません。
microCMSはAPIベースの日本製ヘッドレスCMSです。判断の分かれ目は月額より、どの上限で止まるかと、何を戻せるかです。本記事では2026年11月時点の公式情報をもとに、できること、料金と上限、AIとのつなぎ方、向き不向きを整理します。
この記事を監修した人

マーケティングディレクター
玉城 彪眞タマキ ヒュウマ
この記事のゴール(読了目安 約7分)
microCMSが何かを説明でき、無料で足りるか、自社に合うかを判断できるようになる。
microCMSとは
microCMSは管理画面とデータの保存を受け持ち、サイトの表示は別に作るサービスです。
APIで中身を渡す日本製のCMS
公式の定義は「APIベースの日本製ヘッドレスCMS」です。入稿した内容をAPIで取得し、自社で作った画面に表示します。ヘッドレスCMSの仕組みは別記事で解説しています。
管理画面はあり、表示は作る
「ヘッドレスは管理画面が無い」という説明も見かけますが、公式はノーコードの入稿画面を持つとしています。持たないのはサイトの見た目です。公開前のプレビューも表示側に実装が要ります。
提供元と利用状況
提供元は2017年設立の株式会社microCMSで、2024年6月に株式会社エイチームのグループに入りました。自社が公表している利用企業数は17,000社以上です。

microCMSでできること
入稿から配信までを管理画面とAPIで扱います。
3種類のAPI
- コンテンツAPI: 記事などの取得・作成・更新・削除
- 画像API: 画像の変換やリサイズ
- マネジメントAPI: メタ情報やメディアの操作。公式の制限事項ではベータ表記
提供はREST APIのみで、GraphQLはありません。
入稿と公開の機能
- 全プラン: 予約投稿、レビュー、更新履歴の閲覧と比較
- Teamから: CSVエクスポート
料金プランと主な上限
プランは4つで、最低月額と上限が違います(2026年11月時点の公式料金・税抜き)。
APIリクエスト数は全プラン無制限で、請求書払いはEnterpriseのみです。料金は2025年6月に改定されたので、導入時に最新のページを確かめてください。
無料プランで当たる上限
Hobbyでは記事の件数より先にAPIの数が足りなくなることがあります。転送量の上限は別に見ておきます。
件数より先に尽きるAPIの数
ここでいうAPIは記事やお知らせといった入れ物の種類です。Hobbyのコンテンツは10,000件までで、入れ物は5個までです。
2026年10月に、記事12本を載せる自社の試作をHobbyで組んだときは、記事・カテゴリー・サブカテゴリー・執筆者・監修者でAPI 5個を使い切り、6つ目のお知らせを作れませんでした。カテゴリーを親子2つに分けた設計なので、個数は作り方で変わります。
転送量を超えると止まる
月20GBを超えるとAPIが使えなくなり、翌月1日に戻ります。有料プランでは、超過分が課金されます。
法人でも商用でも使える
公式ヘルプは法人のサイトでの利用も商用の利用も認めています。転送量で止まる点は同じです。
APIキーは1個だけ
HobbyのAPIキーは1個で、Teamは3個です。この数はAIとつなぐときに関わります。

Businessで増えるもの
Teamの次は月75,000円(税抜)からで、差は容量より管理の機能にあります。
- 権限管理: 操作できる範囲を分ける
- IP制限: 管理画面とAPIにそれぞれ30行まで
- 過去バージョンの復元: 前の内容に戻す
- 運用の支援: 複数環境の管理と技術サポート
社内の審査で権限の分離やIP制限を求められると、ここまで上げることになります。監査ログ、SSO、請求書払いはEnterpriseのみで、SLAはそのオプションです。

セキュリティで任せられる範囲
提供元が持つものと、自社に残るものを分けて見ます。
提供元が持つもの
- WAF: 全プランに標準的なものがある
- 脆弱性診断: 第三者機関が定期的に実施
- ISO 27001: 2022年4月22日に取得
- バックアップ: 過去35日分
- データの保存先: 全て日本国内のデータセンター
自社に残るもの
表示側の更新と不具合への対応、APIキーの管理、メンバーの権限は、自社か委託先の担当です。microCMSを使うだけでサイト全体が安全になるわけではありません。
AIとつなぐmicroCMS MCP
AIエージェントからAPIを通じて操作する公式の仕組みで、全プラン追加費用なしのベータ版です。
AIからできる操作
MCPは、AIが外部のサービスを操作するときの共通の決まりです。公式のリモートMCPサーバーは2026年8月24日に公開されました。コンテンツの取得・作成・更新・削除、公開状態や予約の変更、メディアの操作などができ、範囲はAPIキーの権限に従います。対応するクライアントはChatGPT、Claude、Cursorなどです。
使う前に知っておく制約
- ベータ版: 仕様が変わる可能性がある
- 認証: APIキーで行い、OAuthには未対応
- IP制限: 送信元が固定でなく、APIのIP制限と併用できない場合がある
- キーの分け方: 公式はAI専用のキーと最小限の権限を推奨

WordPressとの仕組みの違い
違いは優劣より、誰が何を持つかにあります。
microCMSの向き不向き
出し先や更新の型が決まっているほど合います。
- 向く: 記事やお知らせを決まった型で出す/表示を作る人か委託先がいる/サーバーの保守を持ちたくない
- 向かない: 表示を作る人も委託先もいない/ページごとに自由に組みたい/会員機能や決済がサイトの中心(表示側で作るため)
候補を比べるときの見方とWordPressとの比較は別記事で解説しています。
【プロの視点】月額より止まる条件を見る
microCMSは「無料で始められる」「月4,900円から」と、最低月額で語られがちです。判断を変えるのは、上限に当たったときの動きです。Hobbyは転送量を超えるとAPIが止まり、Teamは1GBあたり20円(税抜)の課金になります。Businessへ上げるきっかけは容量より管理の要件です。
プランは次の2問で分かれます。
- APIが翌月まで止まって困るか: 困らなければHobby、困るならTeam
- 社内の審査で権限の分離を求められるか: 求められるならBusiness
明日やるなら、今のサイトで止まると困るページを書き出し、記事・お知らせ・採用といった入れ物の種類を数えてください。種類が5つを超えるなら、Hobbyでは足りません。
【waltsu視点】戻せる範囲でAIに任せる
AIに書かせて試せる回数は、失敗を戻せる範囲で決まるとwaltsuは考えています。
料金ページとMCPの説明を読み合わせると、低いプランでは戻せる範囲に限りがあります。更新履歴の閲覧と比較は全プランで使えますが、過去バージョンの復元はBusinessからです。失敗の影響を絞るために公式が勧めるAI専用のキーも、キーが1個のHobbyでは分けられません。限りがあるというのは、2つのページを読み合わせたwaltsuの解釈です。
AIが入れるのは下書きまでとし、人が確かめて公開を決める形なら、低いプランでも試せる範囲は作れます。
最初の一歩は本番とは別の試験用サービスをHobbyで作ることです。代表的な記事を数本AIに入れさせ、人が直した箇所を数えてください。
よくある質問
調べる人の多い疑問に答えます。
microCMSは無料で使える?
使えます。Hobbyは法人のサイトでも商用でも無料です。APIは5個、転送量は月20GBまでです。
microCMSの料金はいくら?
2026年11月時点の税抜きで、Teamが月4,900円から、Businessが月75,000円からです。人数やAPIを追加すると増えます。
microCMSのデメリットは?
表示側とプレビューの開発が要ります。プランの間で月額の差が大きく、権限管理はBusinessからです。
WordPressから移行できる?
特定のCMSからの移行機能はなく、APIかCSVで入れるのが一般的です。公式ブログにはMCPで記事10件を移した試行の報告があります。
GraphQLは使える?
使えません。公式ヘルプはREST APIのみと回答しています。
この記事のポイント
・表示は別に作る
・無料はAPIの数と転送量に注意
・権限管理と過去バージョンの復元はBusinessから
・MCPはベータ版で、全プランが対象
まとめ
microCMSは表示を別に作る日本製のヘッドレスCMSです。選ぶときは月額だけでなく、APIが翌月まで止まって困るか、社内の審査で権限の分離を求められるかを確かめてください。
料金と機能は2026年11月時点の公式情報で、導入時には最新のページを見てください。CMSの選定や、AIと人で更新を回す体制に迷ったら、waltsuがご支援します。





